パリの南西50kmに位置するYvelines県Rambouillet (ランブイエ)は、14世紀に要塞であったランブイエ城で有名です。1547年にフランソワ1世が亡くなったと言われるこの城は、ルイ16世やナポレオン1世の所有になったり、2009年まではフランス大統領の夏邸であったところで、1975年第1回先進国首脳会議(G6)が開催されたことでも有名です。
この会議は、1973年の石油危機、その後のグローバルな経済停滞の後に開催されましたが、コアG6メンバーと言われたのは、Valéry Giscard d'Estaingフランス大統領、Helmut Schmidt西ドイツ首相、Aldo Moroイタリア首相、三木武夫首相、Harold Wilsonイギリス首相、Gerald Fordアメリカ大統領の6人です。
翻って現代、ユーラシアグループ代表のIan Bremmer氏は、2016年に執筆した論文の中で、「第二次世界大戦以降保たれていた国際政治的な均衡の破綻が、世界の為政者たちの国際協調に関する能力と意思の両方を減退させている」とし、この状態をG-Zeroと呼んでいます。
"The global order that prevailed since the end of the Second World War has hit its limits. A breakdown in longstanding domestic, regional, and international political equilibria is making policymakers both less able and less willing to collaborate internationally. The result: a G-Zero world characterized by a growing vacuum in global governance." (https://www.eurasiagroup.net/siteFiles/Issues/After_The_G_Zero_.pdf)
ランブイエ城は、私のお気に入りの自転車コースで、よく行きます。パリから軽い山を3つ超えてベルサイユ (Versailles)に。そこからは田園風景となり、さらに2つの上り坂、2つの下り坂を経てダンピエール (Dampierre)という村に着きます。ここからはほぼ平地で、15km程漕ぎ続けるとランブイエ (Rambouillet)に到着です。ここに来る度、1975年第1回先進国首脳会議(G6)が開催されたとき、このシャトーの窓から6人のリーダーたちはどのような思いを馳せたのだろうかと、いつも想像しています。
Chateau de Rambouillet 筆者撮影